SIMフリースマホの購入や乗り換え(MNP)を検討する際、お手持ちの端末が新しいキャリアのネットワークに対応しているかを確認することは非常に重要です。本記事では、この重要な情報を最新版にアップデートしました。日本国内で利用されている**4G LTEおよび5G NRの周波数帯(バンド)**と、**主要4キャリア**の対応状況、さらには通信方式(FDD/TD)をまとめた一覧表です。スマートフォンやモバイルWi-Fiルーターの対応バンド確認にご活用ください。
5G
5Gは、主に**Sub6(サブシックス)と呼ばれる中周波数帯(3GHz~6GHz未満)と、超高速・大容量なミリ波(mmWave)と呼ばれる高周波数帯(28GHz帯)**でサービスが提供されています。
【n77とn78の補足】 n77とn78は周波数範囲が重複する近い帯域であり、日本では3.7GHz帯として割り当てられています。キャリアにより運用バンド名が異なりますが、両方に対応した端末を選ぶことが推奨されます。
| 周波数帯 | バンド番号 (n) | ドコモ | au (KDDI) | ソフトバンク | 楽天モバイル | 区分 | 通信方式 | 備考 |
| 3.7GHz帯 | n78 | ◯ | ◯ | Sub6 | TD | ドコモ・auが主に利用。 | ||
| 3.7GHz帯 | n77 | ◯ | ◯ | Sub6 | TD | ソフトバンク・楽天が主に利用。 | ||
| 4.5GHz帯 | n79 | ◯ | Sub6 | TD | ドコモが利用する4.5GHz帯。 | |||
| 4.9GHz帯 | n79 | ◯ | Sub6 | TD | ソフトバンクに割当決定。2031年度末までにサービス開始予定。 | |||
| 2.3GHz帯 | n40 | ◯ | Sub6 | TD | 楽天モバイルがDFSにより運用。 | |||
| 28GHz帯 | n257 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ミリ波 | TD | 超高速・大容量通信向け。 |
4G
4G LTEは、現在のモバイル通信の安定した基盤です。特に700MHz/800MHz/900MHz帯は、電波が遠くまで届き、建物内にも浸透しやすいプラチナバンドと呼ばれ、日常的なエリアカバーの要となっています。プラチナバンドはキャリアによって異なり、対応状況の確認が非常に重要です。
| 周波数帯 | バンド番号 (B) | ドコモ | au (KDDI) | ソフトバンク | 楽天モバイル | 通信方式 | 区分/備考 |
| 700MHz | B28 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | FDD | プラチナバンド(広域カバー) |
| 800MHz | B19 | ◯ | FDD | ドコモのプラチナバンド | |||
| 800MHz | B18/B26 | ◯ | FDD | auのプラチナバンド | |||
| 900MHz | B8 | ◯ | FDD | ソフトバンクのプラチナバンド | |||
| 1.5GHz | B21/B11 | ◯ | ◯ | FDD | 補完バンド | ||
| 1.7GHz | B3 | ◯ | ◯ | ◯ | FDD | 楽天モバイルのメインバンド、都市部向け | |
| 2.1GHz | B1 | ◯ | ◯ | ◯ | FDD | 主要バンド | |
| 2.5GHz | B41 | ◯ | ◯ | TD | WiMAX 2+と共用・互換性あり | ||
| 3.5GHz | B42 | ◯ | ◯ | ◯ | TD | 高速大容量通信向け |
今後予定・検討されている携帯電話用周波数帯一覧
| 周波数帯 | 関連バンド (n) | 検討状況/目的 | 目標時期 | 備考 |
| 26GHz帯/40GHz帯 | n258/n260など | 5Gミリ波のさらなる拡大に向けた追加割当。 | 令和7年度末(2026年3月末)までに割当へ | 5Gの超高速化と大容量化を担う、主要なミリ波の拡張帯域。 |
| 6GHz帯(5925-7125MHz) | n96など | 5G/6Gでの利用およびWi-Fiとの共用利用に向けた検討。 | 令和7年度末までをめどに検討 | Sub6を超える帯域として、6Gの主要なミッドバンド帯として期待されている。 |
| 2.6GHz帯 | B38/B41など | 既存システムとの共存を図り、5G Sub6への活用可能性を検討。 | 継続検討中 | 既存のTD-LTEバンド(B41)に近い帯域であり、キャパシティ増強に貢献。 |
まとめ:端末購入・キャリア選びの最終確認ポイント
この一覧表を通じて、現在および将来的に日本で利用されるモバイル通信の周波数帯と、各キャリアの対応状況を理解いただけたかと思います。
複雑なバンド情報ですが、SIMフリー端末を選ぶ際に失敗しないために、以下の3つの重要ポイントを必ず確認してください。
- プラチナバンドの対応確認: ドコモ B19、au B18/B26、ソフトバンク B8 は、日常的なエリアカバーと安定性に直結します。利用したいキャリアのプラチナバンドに対応しているかを確認しましょう。
- 5Gの主要バンド対応: 安定した5G通信を享受するため、ドコモ/auならn78、ソフトバンク/楽天ならn77、そしてドコモ専用帯域であるn79に対応しているかを確認します。
- 今後の動向の考慮: 5G/6G時代の移行期には、ソフトバンクn79(2031年度末まで)や今後の6GHz帯の動向も頭に入れておくと、より長く使える端末を選ぶことができます。
バンド対応をしっかり確認し、快適なモバイルライフをお楽しみください。



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